美輪さまロマンティック音楽会 つづき

ごきげんよう、みなさま。
いかがお過ごしでしょうか。

昨日の続きのお話をまたお聞きくださいましね。
『ヨイトマケの唄』のお話をいたしますね。

(昨日に引き続き、お上品路線で参りますわよ♫)

このお歌の時には、
その背景となった方々のことなどをお話になる美輪さま。

大抵は、授業参観の時に、
工事現場で働いてるみすぼらしい格好をした級友のお母さんが、
鼻垂れていた級友の鼻水を見てさっと口ですすった姿が、
着飾った母親たちよりも、
とても美しいものに見えたことなどをお話になります。

ですが今回は、そのお話ではございませんでした。

子供の頃、銭湯の番台でよく見物されていたそうです。

お風呂に入る際には、
どなたも着ているものをお脱ぎになりますでしょ。
おうちにお風呂がある方が少なかった時代、
それなりに裕福な方も、貧乏な方も、
みな銭湯に通っておりました。

綺麗なお着物を脱ぐと、
とても貧相な身体をなさっている方。
着たきり雀のような貧相な着物を脱ぐと、
見事な肉体をなさっている方。

そういうものを幼い頃に目にしていて、
着ているもの(見かけ)など、
大したものじゃないんだなと、
その頃から気づいていらしたようですの。

このお話もまた、
たまにお話になっているので、
お聞きになった方もいらっしゃるかもしれませんわね。

そのお話の時に、
わたくしの心に響いてきたのは、
次のことでしたわ。

当時の庶民は、
普段着と一張羅の二着もあればいい時分。
だから、普段着は継ぎがいっぱい当たっていたし、
とてもみすぼらしいものでございました。

その脱いだ着物から、
素晴らしい匂いが立ち上っていると、
お感じになったようです。

「臭い」ではなくて、
「匂い(におひ)」。

毎日、着ているものだから、
それがどんなに臭いものかと思いますでしょ。

だけど、美輪さんには、
それがとても素敵な香りだとお感じになったそうです。

汗や脂が思いっきりたっぷり染み込んでいる着物から、
家族を思って働いている、
誰かを想って働いてきている素晴らしい香りが、
「ふわ〜」と立ち上っていると。

普通なら、
「なんでしょ、この臭いものは」と鼻をつまんで、
しかめ面でもしてしまうものなのに、
そこにある本質に気づいて、その美しさを感じ取ること。

汗水垂らして働くこと、今の時代とは、
随分、意味合いが違っていたのではないかと思います。

もちろん、当時と変わらない状況で、
お働きになっていらっしゃる方達もおみえだと思います。

はたして、わたくしはどうなんでしょう。

素敵な香りだと言い切ることは出来てはおりません。
だから、恥じ入りながらお話をお伺いしておりました。

そうして始まった『ヨイトマケの唄』は、
やはり圧巻でございます。
いつも、涙がポロリとひとすじふたすじ流れてしまいます。
素晴らしい愛の歌でございました。

愛と言えば、昨日、書き忘れておりましたが、
『愛の讃歌』は「愛を讃える歌」なのですよ。

「讃歌」という言葉に馴染んでしまっておりましたので、
美輪さんの口から、
「愛を讃える歌」と伺った時、
そうだったのでございますねと思っておりました。

やはり、
愛とは素晴らしいものでございますね。

素敵な愛の時間を過ごせたことに、
感謝でいっぱいでございます。

体調不良で延期になった音楽会でしたが、
「今後はこういうことはいたしません。
あと100年か200年はがんばりますので」(笑)
との力強いお言葉に、
会場もホッと一安心でございました。

それから、
“バロン薩摩”こと薩摩治郎八氏の名前が、
美輪さんの口から出てきて、
数日前に彼が出てくる本を読んでいただけに、
「きゃぁ♥」と思っておりましたわ。

それでは、みなさま、ごきげんよう。

お読みくださいまして、ありがとうございます。
たくさんの愛が、あなたとともにありますように。

〜 今日のいいこと 〜
☆ カリンとデンデ。
  こんな感じで寝ておりましたわ。

☆ 生あること。