片翼の妖精

雨がやんできたころ、お散歩に行きました。

フェンスに黒いものが留まっています。
黒揚羽蝶です。

でも、ちょっと様子がおかしい。
よく見ると、右下の羽根がありませんでした。

だから、バランスが上手く取れずに、
フェンスにしがみついているようでした。

飛んでいきたいのだろうな、
でも、上手く飛べない。

だけど、蝶は諦めていないような感じでした。

自然界では、弱いものは淘汰される。
それが摂理。
種を残すためには当然のこと。

でも、この蝶は、まだ、あきらめていない。

だから、私も、
「大丈夫、あなたは飛べる」と、
少し、応援をさせて貰いました。

蝶は少しずつ、もたもたしながらだけど、
フェンスの上の方に、飛んではしがみつき、
飛んでは休みを、繰り返していました。

ずっとそこにいるわけにもいかないので、
立ち去りましたが、
私の心には、その姿が残っています。

あきらめないで立ち向かっていく姿。

小さな昆虫が教えてくれました。

今日も、生き物たちから、学ばせていただいています。
読んでくださって、ありがとうございます。