『最愛の大地』


今日は、アンジェリーナ・ジョリー監督の『最愛の大地』を観てきました。

レディースデイだったので、たくさんの女性たちと一緒に鑑賞。
そして、おそらく、みんな心でため息やら何やらいろいろと。

映画を観ても、調べてみても、
複雑でよく分からないユーゴやボスニア・ヘルツェゴビナ紛争。

よく分からないままに、
戦争に巻き込まれていくという認識なのだけど、
実際もそうなんでしょうね。
はっきりと理解しているのは一部の者だけかもしれません。

だから、この件の政治的なことは、
情けないけど私にはよく分からない。

でも、分かったのは、
美しいものがなくなってしまうのが、
戦争というもの。

「色」がないの。
きれいな色が、ないの。
軍服の色、うす汚れた衣類。
カラフルな色は、
絵の具と、ラスト近くに出てくる主人公の姉の洋服。
そういう印象でした。

色について、取り上げている映画じゃないけれど、
美しい色がないことが私には印象深かった。

あらゆる美しいものが奪われ、破壊され、損なわれるのが戦争。
その中で、女たちは蹂躙されていく。

兵士たちに(連日)レイプされて傷ついた女性は、
「こんなこと夫に知られたくない」と泣いていた。
これって映画の世界の話じゃなくて、
現実に起きたこと。
そして、他の国でも現実に起こっていること。

同じ女として、何とも言えない気持ちになる。

それでも救いって言うのかな、
アンジーが女性で痛みを聞いてきたからなのかな、
レイプシーンが直接的じゃない表現が多かった。
2時間ドラマでも映画でも、
アダルトビデオみたいな目を背けたくなる表現があるけど、
そんなことしなくても伝わる。

リアルな表現の必要性はないってこと。

ただ、銃撃や爆撃の音は耳障りの悪い音だったな。
乾いた、血の通わぬ、感情もない、ただの人殺しの音。
そんな感じだった。
ハリウッド映画の銃撃シーンの派手な感じじゃなくて、
人を殺すためだけの音。

抑え気味に静かに表現されているから、
こういう音が異質なものだと感じるのかもしれません。
生を奪うものだから、
あえて無機質で耳障りの悪い音になっているのかなと、
想像してみたりします。

じんわりと、戦争について、
戦時下の性暴力について考えさせられました。
そういう心に訴えかけてくる素敵な映画でした。

今日は、イベント告知の予定でしたが、
この映画のことで、
心がいっぱいになったので、
そちらはまた後日。

お読みくださってありがとうございます。
たくさんの愛と感謝を。
Love & Hug Hug

〜 今日のいいこと 〜
☆ 観たかった映画に行けたこと。
☆ 本が読めること。
☆ 生きていること。