
久しぶりに、この作家さんの名前を目にして、
そのタイトルにも、心惹かれて、
読んだのが、眉村卓『いいかげんワールド』です。
眉村さんといえば、学生時代に、
『ねらわれた学園』とか読んでいました。
私が、SF好きなのは、
あの頃読んでいたこういう方達の作品に、
触れていたからなんだなぁと思っています。
で、本作。
教え子が創造した世界に旅立つのを、
見守る役割の大学教授が、
自分もその世界に一緒に入りこんでしまうというお話です。
でも、その世界が、
けっこう「いいかげん」で、成り立っています。
ゾク〜っとするような世界観ではなくて、
なんともゆるゆる〜っとしている世界の中で、
あれこれ事件が起こります。
若い作者が書いたなら、
きっと、もっと激しかったり、
理路整然と緻密な世界構成が作られるのでしょうけど、
作者ご本人が仰っているように、
ご老人が書いていることでどこか脱力した世界観です。
でも、それがいいよなぁと思います。
「いいかげん」って、なかなか素敵ですよね。
なにもかもが、
「きっちり」としていないと気が済まないって言う事って、
若い頃ってあったように思います。
若さって融通が利かない場合ってありますよね。
だけど年齢を重ねていくと、
いろんな事が「きっちり」とはいかないことに気づく。
そのことに対して達観できるようにもなってくる。
それが「大人のゆとり」ってものなのかなぁ。
まだまだその域には行けませんが。
それでも、自分に無理なく、
「いいかげん」に生きるって、
なかなか素敵な進化形態だって思っています。
かなり「いいかげん」な私には、面白い小説でした。
今日もまた、お読みいただきまして、ありがとうございます。
いっぱいのLOVEをこめて
〜 今日のいいこと 〜
☆ 「いいかげん」推進委員会発足?
☆ 今日も、ワンコは完食。
☆ おまけに、今日も、走っています。
☆ 『うぬぼれ刑事』に笑ってます
(ついつい、20世紀少年観ちゃったから。今日観ました。)