『思い出のアンネ・フランク』

言葉にならない静かな感動が、そこにはありました。

ミープ・ヒース『思い出のアンネ・フランク』です。

以前読んだ、清水眞砂子さんの著書内で紹介されている本を、
いろいろと読んでいますが、これも、その中の一冊です。

知らないことは、たくさんあります。
年を取ってからどんどん賢くなると言うような言葉を、
水木しげる先生は言っていたけれど、
本当に、そう思います。

この本の著者、ミープ・ヒースさんのことは、
全然知りませんでした。

でも、ある意味、彼女の生き方を考えれば、
知らなくて当然だったのかもしれません。
主役にならずに、
無名で生きることを望んでいた方だったから。

アンネ・フランク一家を、
オランダで匿っていた人たちの一人で、
アンネの日記を見つけて、父オットーに手渡すまで、
保管してきた人でした。

あの当時の状況を支援者の立場から書かれた本です。

そして、彼女の言葉を借りれば、
彼女自身は何ら特別な存在ではなくて、
あの時代に実在した、
たくさんの良心を忘れていない人たちの一人だと言います。

それでも、支援し続けることは、
並みの精神では出来ないでしょうね。

もしも私なら、
同じようなことが出来たかどうか。
「出来る!」なんて簡単には言えません。
むしろ、逃げてしまうかも。

それを、多くのオランダ人の支援者たちは、
やってのけた。
(この本の舞台がオランダだからで、他国でも同じだと思います)

ミープの場合は、アンネと知り合いで、
その日記が世に出るのを助けたから、
全くの無名ではなくなってしまったけれど、
たくさんの無名の人たちが、
その後ろに連なっているんでしょうね。

そのことに静かに感動をします。

あの時代の本なので、
最初は読むことに抵抗を感じていました。

でも、読んで良かった。
そう思っています。
ただ、言葉には上手く表現できません。
そういう本でした。
いい本に出会えました。

日々、あちらこちらに振り子が揺れるブログですが、
それでも、お読みいただいていることに、感謝します。
ありがとうございます。

いっぱいのLOVEをこめて

〜 今日のいいこと 〜
この本を読めたこと
雨が降っていても、お散歩は走るのだ。